黒米の特徴・由来など
黒米(くろまい、くろごめ)、または紫黒米(しこくまい)、紫米(むらさきまい)とはイネの栽培品種のうち、玄米の種皮や果皮にアントシアニン系の紫黒色素を含む品種のことです。
中国では「紫米」、「紫糯」、「黒糯」、「鶏血糯」と呼ばれています。
黒米は、糠にビタミン(ビタミンB、ビタミンEなど)、リン・カルシウムなどのミネラルを含み、摂取することで滋養強壮作用効果がもたらされると言われています。また、白米や赤米よりも高い抗酸化機能を持つのが特徴です。
また、黒米は、玄米の種皮や果皮にアントシアニン系の紫黒色素を含み、主に果皮部に含んでいます。中には、タンニン系の赤色色素を併せもつ品種もありますが、そうしたものは見かけの色から黒米に分類されます。
アントシアニンはポリフェノールの一種で、視力増強や肝機能の強化の作用効果があるとされています。
着色の程度は、栽培方法や栽培時の環境によって大きく左右され、高温や乾燥によって着色が悪くなります。
- 吸肥力が強い
- 病害虫や気候の変化などの環境変化に強い
- 棚田などの環境不良田であっても育成が比較的容易
といった特徴があります。
また、反対に、
- 丈が長く倒れやすい
- 収量が少ない
などのデメリットがあります。
また、普通品種や赤米に比べて室温に長期間保存した場合の発芽率が高いことから、貯蔵性・保存性が高いとされています。
黒米の利用用途としては、酒、うどん、蕎麦、餅、菓子、パンなどの食品に加工されるほか、染色にも用いられ、藁はリースや注連縄、ドライフラワーなどに加工されます。
黒米の品種
- 朝紫
- バリ島のウルチ種とタツミモチをもとに育成されたモチ性の品種。
- 天紫
- ウルチ種。島根県農業試験所が育成。
- 奥羽368号
- 東北農業試験場が育成した品種。大粒で収量が多い。
- 接骨糯
- 中国雲南省で栽培されている品種。
- 黒粘
- 中国の広東農業科学院が、黒米と改良モチ品種をもとに育成。
このほかに、中国などで育成された半改良種がありますが、脱粒性が大きく、収量が低いという欠点があります。
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